「あきない」も分度
樹木を植えるに、根を伐る時は、必ず枝葉を切り捨つるべし。
根少なくして、水を吸う力少なければ枯るる物なり。
大いに枝葉を伐りすかして、根の力に応ずべし。
然かせざれば枯るるなり。
寺田一清『二宮尊徳 一日一言』
6月、福岡、山口ともに梅雨入りです。
真夏日があったかと思うと、雨のせいか肌寒い朝晩もあり、
久しぶりに一寸咳が出たりしてますが、概ね体調は良好です。
週末に田植えを控えているので、道具の準備等々ボチボチ進めています。
今年は種蒔からの育苗に初挑戦しています。
樹木同様、稲も根が大切なようで、育苗時代も葉の温度より根の近くの温度管理が重要とのこと。
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根は、商いでは収益力、家計では収入、人でいうと内面的充実といったところでしょうか?
今日の尊徳の言葉で大切なのは、「根の力に応じる」ということですね。
根の力に合わない枝葉は枯れ果てる、これは誰でも納得できる自然の摂理です。
常に、「根が先行する」ということだと思います。
「あきない」で、見た目の派手さ(多角化)や規模(売上至上主義)を追うのは、「樹木」でいうと枝葉を過繁茂させること。
有機米作りでも、天高く伸びすぎた(徒長した)稲は、見た目は良さそうですが、台風や大雨といっ た外的変化で「倒伏」してしまいます。
我が家の田んぼも、恥ずかしながら、昨年は倒伏してしまいました。
根張りも十分ではなく、収穫量は多くありませんでした。
翻って「商い」。
収益力に応じた地に足をつけた「商い」を目指したいです。
ですが、「早い、簡単、大きい」ものに目を奪われてしまいそうになることもあります。
「分度に応じた商い」
長い目で見た日々の積み重ねですね。
合掌