チュプのこと
愚人といへども悪人といへども、能教ふべし、
教て聞ざるも、是に心を労するする事勿れ、
聞ぬとて捨る事なく、幾度も教ふべし、
教て用ひざるも、憤る事勿れ、
聞かずとて捨るは不仁なり、
用ぬとて、憤るは不智なり、
不仁不智は徳者の恐るる処なり、
仁智二つ心掛けて、我が徳を全ふすべし。
寺田一清『二宮尊徳 一日一言』より
と思っています。
教え導く相手がいる場合、「相手が聞かなくても、聞いて実践していなくても、それに心とらわれることなく辛抱強く教え導くことが、自分自身の徳を積む(=先祖、父母の徳に報いる)こと」という教えだと理解しました。
これからどんなことが待ち構えているか分かりませんが、子育ても一緒かなぁと感じています。
子供に、あまり口やかましく言うつもりはありませんが(笑)。
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実家の飼い犬、ラブラドルレトリバーのチュプが一昨日亡くなりました。
14歳でした。
(昨年10月に撮影。黒いのがチュプ。案外元気そうですが。。。)
2年前に母犬のセナ(妹が名づけ)が亡くなって、急に老け込んでいたのですが、
ここ1年は散歩も家の前をヨタヨタするぐらいのようでした。
最後の1週間は、出ない声を振り絞って何か訴えるように吠えており、夜、横に布団を敷いて寝ていた母も、睡眠不足になるくらい心配していました。
息を引き取る場面は看取ってあげられなかったですが、最後まで母が献身的に見てあげていたので幸せだったと思います。
そして、チュプが生まれた瞬間から面倒を見ていた母。
ご飯が食べられなくなり、日に日に骨と皮になっていくチュプを見て、ある程度覚悟はしていたようですが、やはり喪失感は強いようで心配です。
たかが犬ですが、母にとっては共に生きた大切な存在でした。
(もちろん他の家族にとってもですが、特に母)
天国で母犬セナと仲睦まじくしていることだと思います。
ちなみに、「チュプ」という妙ちくりんな名前は僕が付けました。
大学3年の夏に実家に帰省した時、なぜか書棚にあった「アイヌ語辞典」から
見つけた言葉でした。
「チュプ」という単語は、アイヌ語で「太陽」という意味でした。
合掌