秋の匂いと稲刈り
人間の真価と現世的果報とは、
短い眼で見れば合致せずとも見ゆべし。
されど時を長くして見れば、
福徳一致は古今の鉄則なり。
寺田一清『森信三先生 一日一語』
「因果応報」というと、「悪いことはできんなぁー」と畏れ多くなるのですが、
「福徳一致」というと、「何かいいことしようかなぁー」とはならないでしょうか?
「福徳一致」でいきませう。
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9月に入って…
天候に恵まれたおかげで、
遅れていた稲の実りも進んできています。
(9月13日の様子。来年は植え付け本数を増やそうと思っています。)
自給用(家族、お世話になった人に分ける)の有機稲作田のある山口県宇部市小野も、
すっかり朝晩の空気が変わり、夕方は秋の匂いがします。
季節の変わり目、特に「夏から秋になるときの匂い」が好きです。
大学時代を過ごした信州松本でも、この時期になるとカラッと乾いた爽やかな(信州の場合は一寸肌寒い)風に乗ってくる稲穂の香りだと思います。
この匂いを感じると、少し寂しいけれど何とも言えず満たされた心持になります。
しかし、いい気分に浸ってばかりもおられず・・・
稲刈、天日干し、脱穀と田んぼの作業が忙しくなってきます。
昨年は、9月15日前後に稲刈りをしました。
今年は、田植えが一週間遅れたけれど、今のところ順調で9月20日から刈り取りができそうです。
8月の天候不順があったにも関わらず、稲がそれなりに育ってくれたのは、
恐らく「田植え時点の苗」が、去年と今年で違っていたからだと思います。
去年の苗、今年の苗
去年は東京と山口の往復で、週末しか宇部にいられなかったこと、道具もなかったことから、苗は山口農協から分けてもらいました。
一方、今年は、京都のノウケンからコシヒカリの有機種籾を購入し、35日間育苗しました。
この差がでています。
つまり、去年と今年で、田植え時の苗の状態が「幼稚園児と中学生」くらいの差があったので、田植え後の活着、その後の生育についても今年の苗の方が旺盛だったということです。
除草剤、化成肥料ではなく、レンゲ草を元肥にするだけの昔ながらの稲作りなので、
それに合わせた苗作りをした今年の方が、生育が良いのは当然かもしれません。
田んぼを貸してくれているおじさん、見に来てくれた家族も、
「去年よりいいんじゃない?」
という感想を言ってくれます。
去年より今年。今年より来年。
少し前進出来ているような気がして、嬉しいですね。
来週末、愈々稲刈りです。
今日、敬老の日ような気持ちいい天気になってくれると助かります。
合掌